サンフランシスコに拠点を置くブロックチェーンスタートアップ、Chainが、金融セクターにおける大手銀行や大手金融機関などが利用するブロックチェーン技術に基づいた分散型元帳インフラであるChain Core Developer Editionをローンチした。

ビットコインのような大半の暗号通貨ネットワークと似て、開発者やユーザーは、Chain Coreのテストネットや、Microsoftなどの大手企業、コーネル大学、カリフォルニア大学バークレー校、イリノイ大学などによって運用されているIC3などによってサポートされたテストネットワーク上でアプリケーションやプラットフォームを実行することが可能だ。

 

ChainのRyan Smith CTO曰く―

 

「世界中の開発者たちに、Chainのプラットフォームへオープンアクセスを提供することができ、大変うれしく思っております。弊社が、金融業界の求めるスケーラビリティやセキュリティの問題に見合うようゼロから築き上げたChain Core Developer Editionによって、ユーザーはプロトタイプのデザイン、ビルド、テストなど、シームレスかつエンド・ツ・ーエンドな体験をすることができます」

 

テストネット実装の重要性

 

テストネットや試験環境によって、開発者たちは自分たちが開発したアプリケーションの性能をセキュリティ対策やユーザーベースを活用することなくChain Coreのプロトコル上でテストすることができる。さらに重要なのは、Chainの開発チームはブロックチェーン・ネットワーク上のアプリケーションのパフォーマンスをチェック可能であるということだ。

テストネットの存在は、Chainの開発チームとアプリケーション開発者と共に恩恵があり、どちらも潜在的なセキュリティの脆弱性の発見に際して実際のプラットフォームの開発に合わせてテストを行うことが可能である。

そういった慎重かつ徹底的なアプローチが、最終的にはChainのブロックチェーン・ネットワークを大手の銀行や金融機関で利用可能なセキュアかつフレキシブルで実用性のあるプロトコルへと変えていくことだろう。

また、Chainは、Core Developer Editionは何年もかけて大手金融機関と共同して開発を行い生まれたものであり、Chain Coreのプロトコルはパートナー企業によってテストされた後に利用されているため、パフォーマンスやセキュリティは企業レベルである点にも言及している。

 

MicrosoftのAzure Cloud

 

Chain Core Developer Editionのテストネットは、Microsoft AzureによるBaaSプラットフォームがベースになっており、その独自のクラウドプラットフォームにより効果的なスケーリングと機能を発揮することができる。

Chain Coreのプロトコルに携わる開発者たちは、MicrosoftのBaaSプラットフォームのユーザビリティを最大限にまで活かしChainネットワーク上でアプリケーションを展開することが可能となっている。この柔軟さのおかげで、Chain Coreは既に銀行や保険会社、資本市場など多岐にわたって利用されている。

イリノイ大学の教授でIC3副所長を務めるAndrew Miller氏は、セキュリティやプロトコルデザイン向上のために大手企業とのパートナーシップを結ぶ重要性を挙げ、IC3のChain Coreネットワークの構築と開発における役割を強調している―

 

「Chainのテスト環境にオペレーターとして参加でき大変嬉しく思っております」と、IC3副所長を勤め、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で助教授を務めるAndrew Miller氏は語る―「我々はChainのプロトコルデザインに携わることで、開発者がセキュアなブロックチェーンアプリケーションを開発しやすくなるような、彼らのアプローチを支援しています」