トルコ政府、報道機関131社に閉鎖命令 逮捕令状も

Chained gates in Istanbul, Turkey. Photo: 27 July 2016

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15日のクーデター未遂を受けて非常事態を宣言しているトルコ政府は、これまでに報道機関131社の閉鎖を命令した。通信3社、テレビ16局、ラジオ23局、雑誌15誌、出版29社が閉鎖される。官報で明らかにした。

閉鎖対象のほとんどが地方の小規模な報道機関だが、全国大手の「ジハン」通信や、かつてトルコ最大の日刊紙のひとつだった「ザマン」、テレビ局「カナルトゥルク」、「サマンヨル」なども対象となった。

取り締まり対象となった報道機関の多くは、米国在住の社会活動家で宗教指導者のフェトゥラ・ギュレン師とつながりがある。

日刊紙「ザマン」は読者の大半がギュレン師支持者で、今年3月に政府管理下に置かれた。スタッフ47人に対して逮捕令状が出ている。政府管理下に置かれて以降はギュレン師支持者の購読が激減し、赤字経営に転落していた。

トルコ政府は、ギュレン師がクーデター未遂の背後にいたと非難しているが、ギュレン師はこれを否定している。

マスコミ閉鎖命令とは別に、政府は27日、トルコ軍関係者1700人近くを解任したと発表した。そのうち149人は将軍・提督という。

トルコ陸軍はさらに、クーデター未遂に参加した軍関係者は8651人で、トルコ軍全体の1.5%だと明らかにした。

エルドアン大統領は、クーデターを起こした「ウイルス」を除去すると宣言。3カ月の非常事態を宣言して以来、軍や政府だけでなく教育関係者に至るまで幅広い職種の人が拘束されたり解職されたりと、粛清が続いている。非常事態下では、政府が議会承認を経ずに新法を制定し、人権や市民の自由を制限することができる。

世界の報道機関を監視する非政府組織「国境なき記者団」は、トルコの報道の自由度を世界151位に引き下げた。

イスタンブールのボスポラス橋で投降する反乱兵たち(7月16日)

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画像説明, イスタンブールのボスポラス橋で投降する反乱兵たち(7月16日)