デング熱で有力抗体発見 英など国際チーム
8月に約70年ぶりの国内感染が確認され、日本でも感染拡大の可能性が高まるデング熱のウイルスについて、英国やタイなどの国際チームが高い効率でウイルスを中和できる抗体を発見したと、15日付の米科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表した。
抗体とは、ウイルスの表面にある特定の構造に結合し、ウイルスを無力化するタンパク質。デングウイルスは遺伝子配列が大きく異なる4つの型があるが、今回発見した抗体はどの型も攻撃できる。全ての型に有効な抗体はこれまで見つかっていなかったといい、チームは「有用性の高いワクチンの開発につながる成果だ」としている。
チームはデング熱の患者7人から採取した血液を分析。デング熱に関連がありそうな145種類の抗体を選び出した。それぞれの抗体の中和効率を検証した結果、そのうち1つが全ての型に高い効果を示すことを突き止めた。ウイルスの4つの型が共通して持つ表面の構造に結合したという。〔共同〕