老舗和菓子「赤福」、突然の社長交代 後継は母
老舗和菓子「赤福」を製造販売する赤福(三重県伊勢市)の浜田典保社長(51)が23日付で代表権のない会長となり、母親の浜田勝子代表取締役(77)が新社長に就任していたことが24日明らかになった。関係者によると、元社長で父親の益嗣(ますたね)氏(76)と典保氏の間で経営方針を巡って対立があり、事実上の解任となったという。
同社は23日に臨時株主総会を開き、その後の取締役会で社長交代を決めた。赤福は1707年に創業した非上場企業。2007年10月、消費期限の偽装などが発覚し、食品衛生法違反で約3カ月間、営業禁止処分を受けた。
赤福の発行済み株式は浜田一族が大株主の浜田総業が84%を保有。残りは益嗣氏と典保氏が二分している。
典保氏は2代目社長の益嗣氏から05年に社長を譲り受け、偽装問題発覚後、コンプライアンス(法令順守)を徹底し、作り置きできない生産ラインを導入するなど社内改革を進めた。業績は回復し、08年9月期に64億円だった売上高は13年9月期には92億円まで増えていた。
益嗣氏は07年の偽装問題発覚後、会長を辞任していた。関係者によると、家業型の経営から近代的な経営転換を進める典保氏との間で対立が深まっていたという。