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池田エライザ ──行く先はわからない美しき野生馬

インスタグラムのかわいらしい自撮り写真で女子中高生のカリスマに──。しかし、それは池田エライザさんのポテンシャルのほんの一部にしか過ぎなかった。
池田エライザ ──行く先はわからない美しき野生馬

Photos: Taka Mayumi @ sept Styling: Kumiko Sannomaru
Hari:Go Utsugi @ signo
Make-up:Makiko Endo @ takahashi office
Words:Takeshi Sato

ドレス ¥82,000〈rag & bone/ラグ & ボーン 表参道 ☎03-6805-1630〉 サンダル ¥112,000〈PIERRE HARDY/ステディ スタディ ☎03-5469-7110〉

アゴをつまむ“エライザポーズ”の自撮りSNSでブレイクした女子中高生のカリスマモデル──。そんなイメージをぶっ壊したのが園子温監督の映画『みんな!エスパーだよ!』の女子高生役だ。この作品のオーディションでの発言がふるっている。

「俺の映画を観てどう思った、と聞かれて、嫌いですって答えたんです。血みどろだったりセックスだったり、でも最終的には家族の愛なんてどんだけシャイなんだ、って言ったら受かっちゃった。だから演技の技量は周囲に全然追いついていなくてショックだったけれど、これは面白ぇな、と」

映画に出演してからは、「モデルと女優、どっちを選ぶ?」という質問が増えたという。

「マルチにやりたいとは思っていなくて、でもこれをやりたいと言うと視野が狭くなる。知識を得て取捨選択をして残ったものが個性だと思うから、もっと勉強したいし、焦りたくないです」

聞くほどに、彼女の引き出しは多い。自作曲を自宅録音するミュージシャンであり、心理学者の言葉を引用する読書家であり、ゲーマーである。

「自分の思ったことは書き残したいし、言いたいことは言いたい。とにかく何かを表現したい」

近くで象を見ると、ある人は「鼻が長い生き物だ」と言い、ある人は「尻尾が細い動物だ」と言う。同様に、彼女を見て「クソ生意気な女優の卵」だと呼ぶ人もいれば「かわいいインスタ女王」と呼ぶ人もいる。象と同じく、すぐには全体像が把握できないくらい、池田エライザはデカい。

PROFILE
1996年、福岡県生まれ。2009年にモデルとしての活動を開始。13年より『CanCam』の専属モデルになり、SNSでの“自撮りのカリスマ”として名を馳せる。園子温監督『みんな!エスパーだよ!』出演で、女優として注目される。