FASHION / Editors

オトナの習いごとのススメ。建築塾で学ぶ新たなライフスタイルって?(Maki Hashida)

都会暮らしに不安を感じている人。新しいライフスタイルに興味がある人。UターンIターンを考えている人。建築家・伊東豊雄が開催している「地域における明日のライフスタイル」講座で、新たな暮らしを考えてみませんか?

伊東建築塾の1年間カリキュラム。専門知識も経験も不要。

東京の授業は恵比寿にある建築塾(左)にて。

子どものときはあんなに嫌いだったはずなのに、大人になるとふと、勉強したくなりませんか? 私の周りでも、お料理教室や英会話、ギターなど、習い事をしている人がたくさんいます。今日ご紹介するのは、ちょっと変わった習い事。建築家の伊東豊雄が主宰している、「伊東建築塾 NPOこれからの建築を考える」内の1年間カリキュラムです。実は伊東豊雄というのは私の父なのですが、数年前にこのNPOを立ち上げ、大人と子どものための塾を開催しています。 建築塾と聞くと一見専門的で敬遠しがちですが、このプログラムは全くそんな事ないのです。1年間を通じて学ぶのは、“地方における新しいライフスタイル”。建築の専門知識や経験がない人でも、みながフラットに集まって、農業やコミュニティ、街の活性化などを考える講座なんです。

伊東建築塾 塾生限定講座「大三島で暮らしてみようか?」詳細はこちらから。

テーマは、瀬戸内海にある大三島。

左は私たち家族が東京で住んでいた「シルバーハット」。今は大三島に移築し、ミュージアムになっています。ここでの授業も行われます。

講座は、愛媛県の瀬戸内海にある大三島をテーマに行われます。大三島は、今治市に属する人口約6,000人の小さな島。大山祇神社という三島神社の総本社があることから、“神の島”とも呼ばれていて、多くの武将たちが武器を奉納していた場所としても知られています。私も何度か行ったことがありますが、キラキラとした美しい海と雄大な山々、みかん畑が広がる素晴らしい場所です。で、なぜ大三島がテーマなのかというと、伊東豊雄建築建築ミュージアムがあるから。塾生になると、実際に島で合宿を行い、住民の方々とも意見交換をしながら、農業をベースにした理想の暮らし方やシェアハウスモデル、その他島の活性化などを1年を通して考えていくのだそうです。

伊東建築塾 塾生限定講座「大三島で暮らしてみようか?」詳細はこちらから。

講師陣たちも豪華な顔ぶれ。

講師陣は、塾長の伊東豊雄のほか、アトリエ・ワンの塚本由晴さんや、柳澤潤さん、テキスタイルコーディネーターの安東陽子さん、家具デザイナーの藤江和子さんなどなど。伊東事務所のスタッフや建築塾のOBたちも登場するそうです。去年やおととしの講座も、今年とはテーマが違いますが、学生さんから社会人と、年齢も職業もばらばらの人たちが集まって、実践的なワークショップや合宿が行われていました。机の上で学ぶ堅苦しいお勉強でもなく、ワインやお料理のような定番の習い事でもないこの講座、実は私自身もかなり興味があります。ライフスタイルが多様化しすぎている今こそ、地域の未来を通じて新しい自分のあり方を見つめ直してみるいい機会になりそうです。
詳しくは、こちらをご覧下さい。※募集期間は3月25日(水)と間近です!(ちなみに小学校高学年を対象にした子ども塾もあるのですが、こちらはすでに閉め切ってしまいました)

伊東建築塾 塾生限定講座「大三島で暮らしてみようか?」詳細はこちらから。

ちなみに。建築のドキュメンタリー映画が5月より公開。

映画『だれも知らない建築のはなし』。

この講座と関係ありませんが、5月より伊東豊雄が登場するドキュメンタリー映画が公開されます。『だれも知らない建築のはなし インサイド・アーキテクチャー/日本社会への挑戦』。レム・コールハースや安東忠雄、磯崎新、ピーター・アイゼンマンらがジャムセッション(それぞれのインタビューを編集したかたち)で、主にポストモダン建築について語っている映画です。ポストモダンとはなんぞや、現代の日本の建築はなんぞや、ということが非常に分かりやすく説明されています。が。それよりも、彼らの声を通して、これからの日本はどうなるのか、私たちが社会とどう繋がっていくべきなのか、などを個人的に考えさせられる映画でした。建築に詳しくなくても、十分面白いと思いますのでオススメですよ。5月下旬から、渋谷のイメージフォーラムを皮切りに順次公開予定だそうです。

Maki Hashida