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ジェーン・スーが答えます。「VOGUE的キャリア女性のお悩み相談」20代編。

コラムニストとして大活躍しているジェーン・スーが、VOGUE JAPAN初登場! 20~40代の世代別に、キャリア女性のお悩みに回答してくれました。仕事をスタートしたばかりの20代の恋愛&キャリア問題に、ジェーン・スーはどう答える?※本誌7月号では、作家・角田光代さん、心理カウンセラー・塚越友子さんとの対談による「強い女」特集を掲載。そちらも是非、ご覧下さい。

人生8パターンに別れるけれど、どれが正しいかの正解はない。

ジェーン・スーの回答

今までの学生時代と違って、仕事をしている、してない、結婚している、してない、子供いる、いない、で2×2×2の最低でも8パターンに分類されるわけで、これだけ環境の異なる8パターンが一枚岩になることはもうムリです。ただ40歳くらいになると、お互いに仕事や子育てが落ち着いて、一度は疎遠になりかけていた友達とまた話が盛り上がることも。長い目でみて考えてみたらいかがでしょう。これからも関係を続けていきたければ、距離をとるのは得策です。距離をとることで喧嘩をせず、お互いの近況をたまに報告するくらいにしておけば、状況はどんどん変わってくるので、また仲良くなれるときがくると思いますよ。

基本的に皆、隣の芝生が青く見えるんですよ。でも、8通りの生き方のどれがいいかなんて正解はない。20代はアイデンティティ確立の時期。自分が正しいと思わないとやっていけない時期だと思うんですよ。若いうちに、自分とは異なる他者の意見をすんなりと受け入れられなくても、これはしょうがない。40代になって自分に余裕ができているときに、また受け入れ態勢が出来ているはずです。

リア充友達なんか気にせず、疲れたら休む。

ジェーン・スーの回答

今は疲れているから休んでよし! 本当に嫌になったら自ら何かしらやるはずなので、一日寝ていても全然問題ないです。例えば残業終わりにメイクを落とさずスマホをチェックしていた時に、たまたまリゾートで遊ぶ“リア充”友達をインスタやfacebookで見つけたって、チッと思いながらLikeやいいね!をしておけばいいんですよ。
これね、一番怖いのは、仕事を頑張ってプライベートも頑張って、全方位で輝いていないと自分ってイケてない!と思うことです。そっちにいこうとすると心を壊すんですよ。なんで心を壊すかというと、大体忙しいから。無理な労働や時間の使い方で身体に負荷をかけている人がすごく多い。疲れていると感じたら休むこと、これは鉄則です。

—プライベートと仕事を適度に両立するために、時間の使い方をうまくなるべき?

20代で事切れるまで仕事を頑張りたいのであれば、それ一筋で頑張り続けるのもいいと思う。それは30代、40代になって絶対に身になって返ってくるから。あのときやっておいてよかったな、と思う時が絶対にくるはずです。時間の使い方は、一朝一夕でうまくなるものではないと思います。私も、まだまだダメだなと。あと、かなり大きなスパンでメリハリをつけますね。20代、働く。30代前半は少しペースダウン。30代後半からまたモリモリ働く。そんな感じです。20代当時働き詰めだった私には、使うヒマもなかった貯金を30代で使ってしまったんですが、それはそれでメリハリついたと思います。一人社会実験みたいなことにお金を使ったな。家賃と同じ値段のワンピースを買ってみたり、シャネルのバッグを正規店で買ったり。100万円かけて旅行に行き、お金をかけるとこんなサービスを受けられるのかって身をもって体験してみたり。そうしていくうちに、自分にとって何が必要なのか・不要なのか、わかるようになるんですよね。「服はニッセンの通販でもいいや」とか「高いところにご飯食べに行かなくても幸せだ」とかね。体験すれば、あとは自分で取捨選択が出来ますから。

ジェーン・スー
東京生まれ。音楽プロデューサー、作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。自称「未婚のプロ」。2014 年よりメインパーソナリティを務めるTBS ラジオ「ジェーン・スー相談は踊る」が遂に書籍化され、今年3 月に発売(同タイトル)。ほか、著書にブログ本『私たちがプロポーズされないのには101 の理由があってだな』『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』。

Editors: Maki Hashida, Airi Nakano, Kanako Shibuya